とぼふ日記

アニメの話など。

神戸守さんに関しての覚え書き(随時追記あり)

神戸守は『Cosmic Baton Girl コメットさん☆』において、主に実写的なカメラワークで注目を集めるが、その名をより広く知らしめたのはやはり『エルフェンリート』になる。萌えとグロの融合、クリムトオマージュに登場人物を当てはめたOPと、神戸監督作品の中で一番インパクトのある作品に仕上がったからだろう。
しかし、監督作やそれ以外のコンテ(演出兼任含む)参加の作品を広く見渡せば、そこに共通して現れるのは、カット割りでリズムを刻む演出手法である。『苺ましまろ』(佐藤卓哉監督)2話と6話(氏のコンテ演出担当回)が、この点で最も分かりやすく成功した例と言っていい。特に6話のスケッチブックを使った筆談パートはセリフに頼ることがないだけに、神戸演出の真骨頂となり、一部で「神戸グルーヴ」とも評された。
近年は『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』でA-1 Picturesとの縁が出来たと思われ、以降、同スタジオの数多くの作品で若手スタッフを支える仕事が目立ったが、2015年秋、監督作『すべてがFになる THE PERFECT INSIDER』で久々に本領を発揮。いつもの持ち味もありつつ、英語での長尺会話シーン(7章)など、挑戦的な姿勢がこれまでになく垣間見られ、ベテランの域に達しながら意欲作となった。また、同作の公式サイトでも、氏が担当した1章、2章コンテの公開(期間限定)、監督本人による各章演出ポイント解説と、神戸守監督自身にも前例がないほどのスポットが当てられ、ファンにとって嬉しい事態になった。
以後しばらくはA-1 Pictures制作の作品参加が続くが、2018年、マッドハウス制作『宇宙よりも遠い場所』(いしづかあつこ監督)にコンテ参加。また同年10月『アニメフィルムフェスティバル東京2018』にて『Cosmic Baton Girl コメットさん☆』のイベント上映(セレクション上映)、dアニメストアでの配信が実現し、再評価の機運が高まっている。
CloverWorks(2018年4月にA-1 Pictures高円寺スタジオが改称、ブランド化、10月にA-1 Picturesの事業内容を一部会社分割する形で株式会社として設立)制作『ダーリン・イン・ザ・フランキス』のコンテ参加を経て、2019年同社制作の『約束のネバーランド』が最新監督作となる。

【略歴】

主な監督作として、『Cosmic Baton Girl コメットさん☆』(’01年)、『出撃!マシンロボレスキュー』(’03年)、『エルフェンリート』(’04年)、『電波的な彼女』(’09年)、『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』(’10年)、『君と僕。』(’11年)、『すべてがFになる THE PERFECT INSIDER』(’15年)、『約束のネバーランド』(’19年)等。

※2019年現在。

※「コメットさん☆」のアイリスアウトは序盤ではカメラのシャッター音が付いており、場面を切り取る意味合いが強かった。また、最後の「すべてがFになる」は、最終話絵コンテには「stop motion」とある。

※「音楽」の例え以外に、俳句のような、ミニマムな表現手法、とも言える。


神戸さんのコンテについて、ちょっとした言及あり。

黒木:齋藤社長がオリジナルなのは、発光するんですよね。神戸守さんが描いてくれたコンテに入っていたんですけど、冬馬がうわぁーって物理的に圧倒されるのがすごく面白くてそのまま採用になりました。







ダリフラ』19話では、説明セリフの多い脚本をどうコンテで処理するか、苦労している感じがあった。

















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